奇跡という名のまぼろし
2008/10/05


静かにしんしんと夜が更けていく
微かな寝息と鼓動がひとつ

重なり合っているのに悲しくて
寄り添い合っているのに寂しくて
何度か君の寝顔を見ては大丈夫だと強く言い聞かせた

絡めていた指先はいつか解けると知っていた
大人になっていくというのはそういうことだって
なんとなく気付いていた

手紙も電話もあるし離れても大丈夫だって
君は何度も言っていたけど
僕に自信がなかっただけだったから

ようやく今ならその言葉の重みがわかる
君が勇気を持っていった言葉の意味がわかる

けれどふたりは大人になりすぎて戻るには遅すぎて
願うのは奇跡というまぼろしのようなものだけになってしまったよ